買い物弱者事業における収益性の決定要因に関する実証研究(2020)
少子高齢化の進展を背景に買い物弱者問題が深刻化しているなか、多くの事業者が問題に取り組んでいる。しかし、ほとんどの事業者が運営の維持に苦労している。これを看過すれば、買い物弱者問題はより深刻なものになる。本研究は、事業者に対するアンケート調査に基づき、事業者の収益性を決定する要因を特定することを目的とする。まずは、文献レビューから決定要因を把握・整理した。これら決定要因の水準などを収益性とともに問うアンケート調査を全国の事業者を対象に実施した。328の事業者に依頼して、90件の有効回答を得た(有効回答率27%)。被説明変数として収益性、説明変数として課題と工夫の水準を用いた、二項ロジスティック回帰分析を行い、決定要因に関する推計を実施した。