巨大地震を想定した一括備蓄代行サービスの提案(2015)
要旨
東日本大震災発災時、東北地方は物資不足に陥り、被災者は精神的にも肉体的にも負担を強いられた。また、首都圏では交通機関の停止などにより多くの帰宅困難者が発生した。東京都は帰宅困難者対策条例において一斉帰宅の抑制に、事業者は備蓄に努めるよう推進している。東日本大震災時の物資不足の原因を明らかにすることで、今後首都圏に甚大な被害を及ぼすことであろう将来の巨大地震に備えることができるはずである。本論文では、事業所内備蓄を促進するため、備蓄に関する様々な業務のサービスを提供する新たなビジネスを提案する。企業の日々の業務のなかで、備蓄品の管理、更新や廃棄などを行うための時間やコストは事業者にとって大きな負担になるが、企業内備蓄を低コストで代行することで事業所の負担は軽くなり、事業所内備蓄の推進が可能となろう。