返品商品のバイオマスエネルギー利用に関する検証(2016)
要旨
食品業界における返品問題に対し、卸売業者や製造業者を中心に様々な対策が取られている。しかしながら、現状として根本的な解決は望めない。その理由として、取扱い品目の多さから需要予測が困難であることや、品切れ防止のために多くの在庫を保有する必要があることなどがあげられる。一方で、東日本大震災をきっかけとした原子力発電の問題から日本はエネルギー確保の問題に直面している。これら2つの問題に同時に貢献する手段として、返品商品をバイオマスエネルギーによる発電に利用することを提案する。提案の実現性に対する検証のために、実証実験、発電量測定、採算性計算、処理費低減の可能性の分析を行い、その結果を提示する。